公益法人とは
学校法人は公益法人のひとつであり、それぞれの特別法が定められている。
そしてその公益法人とは、公益の増進を図ることを目的として法人の設立理念に則って活
動する民間法人をいう。
公益を目的とした理念から、免税の優遇や補助金を受けるため、
その監督庁において厳しく監督されている。
公益とは不特定多数の者の利益を定義している。
公益法人の監督
公益法人は事業計画の報告、決算後の事業報告の年2回の定期報告を行い、
また監督庁においては概ね3年を目途に全ての法人に対する立入検査を行われている。
公益認定を行う時点のみならず、定期的に監督はされているはず。
また、免税の優遇や補助金・助成金が発生すると言うことは、税金を使っていると言うこと。
監督官庁はそこに大きな責任があり、自覚すべきだと考える。
監督の実態
実際の監督としてはどうなんだろう。
全部がおかしいとは言わないが、自分が経験した事象で表現したい。
公益法人制度における知識を保有している部署の監督ではなく、
事業者が窓口としている部署が監督責任窓口となっている。
公益法人制度に精通した部署は公益法人の数が多いため、
事業者窓口が担当するのである。
事業者の窓口担当者は公益法人制度に関して、ある一定の研修を受けて監査を行う。
よってほとんど公益法人制度に関しては詳しくなく、
また本来の業務外の仕事であるため、チェックリストによる事務的な確認のみとなる。
適切な監督により日大の運営に関しての指摘はできたのか?
前述の通り、監督監査自体がその運営に的確な指摘をできるのかどうかで言うと、
とても問題を掘り出すような監督監査をしているとは思えない。
自分の経験上の公益法人と日大のような学校法人が同じとは言えないけれど、
日大の場合は学校法人以外に医療法人などの複合であると考えれば、
学校法人は文部科学省、医療法人は厚生労働省など、
お得意の縦割りが高いハードルとなっているかもしれない。
また、組織の誰が実権を握っていて、周りがイエスマンしかいない事までは、
知り得る事は難しいだろう。
ただ、お金の流れでの不適切さを見つける可能性はあるのではないのだろうか。
お役所依存とお役所仕事
経験上の公益法人については、特にひどい事をしているわけではないが、
細かい事案において、監督官庁からの指摘がないことが間違っていないとの解釈。
監督官庁は言われたとおりチェックしてたので適正に監督してますとの判断。
本来公益法人の適正な運営のために、事業を行う側と監督する側が、
適切な相互作用を行えることが理想なのであるが、現実は相当違う。
どちらもできれば穏便に何も問題なく、で成り立っている。
権力者に対するお上の力
どの組織においても一定の実力者がいて、それは必然であると考える。
ただ、その実力者が悪であるか善であるかで大きく違ってくる。
その悪による不適切な法人運営が行われている場合でも、個人による反抗反対行為は、
困難を極める(実体験)、その時に監督官庁の立入検査での指摘による是正がされることを期待したものである。
でも実態はチェックリストによる事務的は作業のみで、一切の指摘はなし。
内部の反対意見より監督官庁の指摘や指導はそれなりに重みがあるはずなのだが。
本来の役割で是正できることは多いはず
絶対的な権力を持った横暴運営を崩すことは難しいこと、
ましてやどの組織でも少なくないはず。
しかし、本来の目的による監督を行うことでお金の流れを明確にしたり、
不明瞭な事柄の是正から、その権限などを制限する事は可能なはず。
制度そのものの問題より、そこに関わるそれぞれが本来の役割を理解していくことが、
一番大切なことなのだろうと考える。